A子さんとA男さんは同じ会社で働いていました。
一緒に仕事をしていくうちにお互いひかれあい、社内結婚をすることになりました。
中小企業だったため、全従業員が知っている、社内結婚でした。
会社にも一緒に通勤し、一緒に退社する、幸せな二人でした。
A子さんも係長クラス、A男さんも部長クラスと、キャリアもしっかりつんでいきました。
人望もあつく、社内から一目置かれる存在でした。
そんなとき、B子さんが新入社員として入社してきました。
特別美人というわけでもなく、もてるというわけでもありません。
小さい会社です。A子さんとA男さんが結婚していることは新入社員のB子さんの耳にも入っています。
しかし、B子さんはA男さんにアタックしていきます。
小悪魔どころではありません。悪魔です。
ほどなくして、社内結婚した夫婦の仲をひきさき、社内不倫をして、そのままB子さんとA男さんは結婚しました。
当たりまえですが、社内からは祝福されませんでした。それでも二人とも会社を辞めることなく働き続けました。
人望があつかったA男さんからは人が離れていきました。しかし、B男さんはなんと、役員になりました。
人望があるわけではありませんでしたが、人よりも要領よく仕事ができたB子さんは係長クラスになりました。
離婚後のA子さんは憔悴しました。今まで幸せだった時間をすべてB子さんに奪われた。会社でも、プライベートの居場所すらとられてしまった。
でも、A子さんは何も悪いことはしていません。すべて悪いのはB子さんです。
ここで会社を辞めたらB子さんの思うつぼです。でも、同じ職場では働きたくない。
そこでA子さんは会社に異動願いを提出しました。
普通なら異動願いは受理されませんが、社長も内情を知っています。ましてB男さんは役員です。
A子さんの異動願いを受理し、A子さんは別の支店で働くことになりました。
そんな内情を知ってか、A子さんの周りには常に人がいました。反対にB子さんとA男さんは会社のみんなから嫌われる存在になりました。
そんなとき、A子さんな取引先でB男さんという男性と知り合います。
離婚して憔悴しているA子さんをB男さんは気にかけます。
仕事でも接する機会の多い二人です。
ほどなくして二人は恋に落ち、結婚します。
A子さんは一回目の離婚原因が原因ですので、二回目の結婚でもまわりからとても祝福されました。
そのあと、A子さんとB男さんの間には一男一女が生まれました。
現在も幸せに暮らしています。
A子さんは思いました。
あの時、B男と離婚して良かった、と。
B子さんとA男さんは今でも夫婦です。二人とも仕事を辞めることなく働いています。
しかし、B子さんやA男さんと仲の良い社員は一人もいません。むしろ皆が避けています。
しかし、仕事ができるからといって部下がついてくるわけではありません。人間性も大事です。
果たして、社内不倫をした男性が役員の会社がこれから伸びていくのでしょうか。